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単語力をつけるテキスト

リスニング力を高めたり、表現の幅を広げるためにはボキャブラリーは多ければ多いほどよい。中国語の基本骨格が身に付いたら、語彙力UPの学習にも取り組みたい。とはいえ、単語の学習は単調になりがち。飽きずに取り組めるのか、効率よく覚えられるのか。テキスト選びも悩ましい。

そこで、初・中級者の語彙力UPを目的とした中国語テキストの使い心地を、管理人が独断と偏見に基づき、好き勝手に検証してみた。

「単語」に特化した初中級者向けのテキストは意外に少ない。今回は以下の3つを取り上げる。

『キクタン 中国語 中級編』 株式会社アルク 関西大学中国語教材研究会
『起きてから寝るまで 中国語単語帳』 株式会社アルク 本間史
『オールカラー中国語生活図解辞典』 小学館 小学館外国語辞典編集部/LiveABC編集部


まずは、『キクタン 中国語 中級編』からいってみよう。ご存知、アルク社の人気テキストである。

キクタン中国語【中級編】
中検2級レベル

テキストに掲載されている単語数は全部で1008語。内訳は名詞272個、動詞416個、形容詞・副詞・その他208個、成語112語である。見開きの左側のページに単語、ピンイン、意味があり、右のページにはそれぞれの単語を使った短めの例文が一つもしくは二つ載っている。

『キクタン』の特徴はなんといってもCD。「チャンツ音楽」というリズムカルな音楽に乗せて単語が読み上げられているところだ。そのノリノリの音楽が、従来の中国語のテキストにつきものだった野暮ったいイメージを払しょくしている。また、リズミカルなので、聴いているうちについつい口ずさんでしまうというのもメリットである。発音練習にはもってこいであろう。

中国語→日本語→中国語の順に読み上げられるので、1回目では単語がピンと来なくても、日本語訳がヒントとなって、2回目の中国語で思い浮かぶということは多い。ただし、これは勉強したことがあるがうろ覚えだった単語に限った話である。まったく見たことも聞いたこともない単語が「CDを聴くだけで…覚えられる!」なんてことはない。帯に書かれている宣伝文句は8割引きくらいで信じたほうがよい。少なくとも1回はテキストで漢字、ピンイン、意味を確認し、例文で使い方を勉強しておくべきだろう。その上で繰り返しCDを聴けば、聴くと同時に漢字を思い浮かべられるようになる。音声から単語がすぐに浮かぶようになればリスニング力が格段に上がる。

残念なことに『キクタン』のCDには例文が収録されていない。単語は単語単品で意味を覚えていても実践で使うのは難しい。どういう文脈で使われるのか、どういう単語とセットで使われるのか感覚的に解ってなければ、いざ話そう、いざ書こうとしてもまごついてしまう。単語を使える程度まで覚えるためには例文ごと暗記するのが一番だ。しかし、例文の音声がないので耳からは学べない。テキスト片手に音読するほかない。

この『キクタン 中級編』は中検2級に出題されるレベルの単語が集められている。そのため、名詞でも「阻力」「社区」などの抽象的な概念を表す単語がほとんどだ。「牙膏」「地毯」といった物の名前はあるにはあるが、わずかである。動詞も必ずしも日常的に使う単語ばかりではない。これらの単語は中国語を生業にしようとする人以外は読んで理解ができ、聴いて解れば十分だとも言える。『キクタン 中級編』は実用というよりは試験対策のテキストといった側面が強い。


次に『起きてから寝るまで 中国語単語帳』をみてみよう。

起きてから寝るまで中国語単語帳

テキストに掲載されているのは2,808個の単語とフレーズ。かなりの量だ。「朝」、「通勤・通学」、「会社・学校」、「家事」、「外出」、「夜」というテーマで六つの章に分けられ、それぞれの章がシーン、例文、対話の三つのページパターンによって構成されている。シ-ンページにはテーマに沿ったイラストが描かれ、さまざまな物の名前やその場面で使われるフレーズが紹介されている。例文、対話のページはそれらの単語やフレーズを使った文という構成だ。『キクタン』との大きな違いは掲載されている単語のほとんどが日常生活で目にする身の回りの物や動作である点だ。朝起きてから夜寝るまでに目にするであろう、ありとあらゆる物の名前を片っ端から教えてくれている感じだ。だから、図解辞典付きのテキストといった方がいいかもしれない。

CDに収録されているのは例文と対話文だけである。残念ながら単語のみの音声は収録されていない。その代わりなのかどうかはわからないが、膨大な量の単語を覚えるグッズとして赤い透明のチェックシートが付いている。中国語の単語とピンインは赤色の文字で書かれているので、チェックシートをかぶせて覚えたかどうか確認できるというわけだ。つまり昔ながらの試験勉強方式だ。さっき、書き忘れたが、『キクタン』にも同じチェックシートが付いている。アルクはチェックシート好きなのか。

話は『起きてから寝るまで~』に戻る。

例文と対話文は身近な生活シーンの会話であり、非常に実用性は高い。単語力をつけることは置いといて、文をまるっと覚えて日常会話の練習として使うのもいい。管理人は実は単語の部分はそっちのけで、ここをメインとして使っている。
....( ̄□ ̄;)!!

生活シーンの単語といっても人によっては全く用のない単語も多い。男性にとってはマスカラだのポニーテールだのは一生知らなくて構わない単語だろう。2,808個と聞くとうんざりするかもしれないが、無理せず、自分の興味があるテーマだけに絞って学習すれば、かなり役立つテキストになってくれるだろう。


最後に『オールカラー 中国語生活図解辞典』を見てみよう。「辞典じゃないか!」という突っ込みを受けそうだが、これは『辞典』と名乗っておきながら、学習機能がかなり充実している。敢えて取り上げてみた。

オールカラー
中国語生活図解辞典
DVD-ROM付き

掲載単語・フレーズ数は3,439個、名詞が大部分を占める。『辞典』というだけあって、「一,二,三」「今天」といった入門レベルの単語から「卡布奇诺(カプチーノ)」「记分板(スコアボード)」などのマニアックな単語まで幅広い。

内容は大きく「東アジア」「家」「人」「食べ物」「食事」「衣服」「都市・買い物」「交通と旅」「娯楽」「スポーツ」「教育」「医療」「動植物」「時間と空間」という14のセクションに分けられている。さらに、各セクションの中に5から11の小テーマが置かれている。「人」セクションであれば、《顔と体》、《動作》、《職業》…といった具合だ。一つの小テーマは見開き1ページ。カラーのイラストに番号をふって、一つ一つ単語・フレーズが説明されている。

この本の画期的なところは大陸で使われる“普通话”に並んで台湾の“華語”や英語も併記されているところだ。日本にあるほとんどのテキストは大陸の“普通话”のテキストである。そのため、台湾に行ったときに使用する単語の違いに戸惑うこともある。手元に一つでも台湾華語の辞典があれば心強い。

通常のテキストにはCDが付いているが、この本にはDVD‐ROMが付いている。本と同じカラーイラストで、イラストにつけられた番号をクリックすると発音が聴けるというものだ。設定を換えれば、連続読み上げもしてくれるし、発音速度も通常とslowの2種類用意されている。“録音”や“リスニングテスト”といった機能もあり、ゲームのように楽しんで学習したい人にはぴったりだろう。また、すべてのセクションに短い会話のビデオ映像が収められている。出演者の声とアナウンサーによる読み上げの音声との選択も可能だ。

付録がDVD‐ROMだからパソコンを使わないと音声を聞けないのかと思いきや、mp3の音声データも一緒に収録されている。スマホや音楽プレーヤーに入れてしまえば、CDと同様に音声を持ち歩ける。単語は図解番号⇒日本語⇒中国語(通常スピード)⇒中国語(slow)の順で収録されている。親切といえば親切だが、中級以上で手早く勉強したい人にとっては図解番号やslowの部分が邪魔に感じるかもしれない。会話文はアナウンサーによる読み上げの方が収録されている。まさに盛りだくさんだ。

ここまで、あれこれ詰め込んで税込2,310円という価格に抑えてあるのは、やはり、数多くの辞典、図鑑を出版してきた小学館ゆえだろう。同じ価格帯のテキストの中では情報量の多さが断トツだ。DVD‐ROMの機能をうまく使えば、自分仕様にカスタマイズできるのも大きなメリットだ。テキストとして使うもよし、辞典として使うもよし、とりあえず手元に置いておきたい一冊だ。


【まとめ】

『キクタン』は中検対策としては最も頼りがいがある。過去問の中から出題頻度の高い単語を選りすぐってあるのだから当然である。試験までの限られた期間に何となく勉強するのはやはり効率が悪い。そういう意味で“出る”単語を短期間で頭に叩き込める『キクタン』はなかなか優れたテキストだ。また、ニュースなどのやや難解な文のリスニング力をつけたい人にも、この中級編はちょうどよいレベルだろう。

逆に実生活で使う語彙を増やしたい人には『起きてから寝るまで 中国語単語帳』の方がおすすめだ。特に現地で生活する予定の人は身近な物の名前や簡単な動作を表す単語は必須だ。例文と対話文がしっかりしている点も“実”の面でポイントが高い。

机にかじりついて勉強するのはどうも苦手という人には『オールカラー 中国語生活図解辞典』が向いているだろう。イラストがかわいいので、早期教育も兼ねて子どもと一緒に中国語を勉強するのもいいかもしれない。

単語力をつけると一口にいっても、人によって目的や好みの学習スタイルはまちまちだ。一概にどれがいいとは決めつけられない。上記はあくまで私の個人的な感想で、見落としている部分もあるだろう。ただ、少しでも皆さんのテキスト選びの参考になればうれしいかぎりだ。


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