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第1章 何年も勉強しているのに話せないのはなぜ?

目次

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• 話せるとは素早く文を組み立てられること

さて私たちの悩み「何年勉強しても話せない」を解決するためには、まずその理由を知らなければなりませんね。

単語をたくさん知っていて、文法の知識もあり、中国語文をちゃんと日本語に訳せるのに、いざ話そうとすると、言葉が出てこない。 どうしてでしょうか。

簡単に言ってしまえば、それは、脳に中国語のひな型ができてないからです。

(^。^)ん?ひな型?

そう、ひな型、テンプレートです。

脳内に中国語文組み立てを補助する“型”がないことが原因なのです。

そもそも話せるとはどういうことでしょうか。

文法に従って単語を並べて口から発する、これが瞬時にできるということです。

単語をでたらめに並べても、それは文ではなく、単なる単語の羅列にすぎません。

正しく並べて初めて文と言えます。ネイティブ相手に単語を羅列しても、話せたとは言えません。

また、いくら単語を文法通り正しく並べられても、ひとこと言うのに何分もかかってしまうようでは、これまた話せるとは言えません。

中国語が話せるとは中国語文の法則にしたがって正しく単語を並べて、意味のある文を素早く作ることができるということです。

大雑把にいえば、“文法にしたがって作る”と“素早く作る”という二つのことを両立できることが話せるということです。

そして、多くの日本人学習者がこの“素早く作る”という部分でつまずいています。

では、なぜ素早く作れないのか。

それは、毎回、文章を作るごとに単語をどう並べるか、つまり語順を“考えて”いるからです。

主語はここ、副詞はここ、動詞はここ、目的語はここ・・・。

いちいち文法知識と照らし合わせながら、並べていきます。

当然時間がかかります。

つまり、思うように話せないという状況になるのです。

ネイティブは語順を考えたりはしません、考えなくても、すでに頭に“入っている”からです。

ひな型ができているとは、こののように語順が“入っている”という状態なのです。

もしひな型があれば、語順は考える必要がありませんよね。

どのひな型を使うかだけ決めれば、それに単語をはめ込むだけなので瞬時に文が作れます。

また、複数のひな型を持っていれば、はめ込む単語を入れ替えることで、無限に文を作ることができるのです。

私たちは幼児期からずーっと毎日毎日、日本語を話しているので脳に日本語文を素早く組み立てるためのひな型ができています。

これは教えられてできたものではなく、日本語だけの環境で育つ中で必要に迫られ自ら作り上げたものです。

幼児といえども、自分の意志を伝えるためには、とにかく日本語で話さなくてはなりません。

「たべたい」「のみたい」「ねむい」「だっこして」「おしっこ出る」・・・

日本語が話せるかどうかは生存にかかわる大問題です。

私たちは生まれてからこのかたずーっと繰り返し日本語を話す必要があったので、便利なように頭の中に日本語のひな型を作ってきたのです。

しかし中国語の場合はどうでしょうか。

日本在住の場合、何年も勉強しているといっても実際に中国語を話す時間は母語である日本語に比べれば微々たるものです。

しかも勉強時間の大半は単語を覚えたり、文法を学んだり、日本語に訳したりと発話以外のことが占めています。

実際問題中国語なんか話せなくても生活に何の支障もありません。 脳は必要のない能力はわざわざ身につけません。

時々しか話す機会がなければ、脳は必要性を感じないので中国語用のひな型を作ることなどしません。

考えてもみてください。

私たちは365日、家族や友人や職場の人と日本語で会話しています。 仮に今日一日誰とも話さなかったなという人でも自分とは日本語で話していますよね。

つまり、考え事は日本語を使ってしますよね。

一日のうちには何百、何千もの日本語文が頭の中で生産されているはずです。

では、中国語はどうかというと、母語でもない中国語で考え事をしているという人はまずいないでしょうから(それができたら「話せない」なんて悩みは抱えていませんよね^_^;)、せいぜい1週間に1、2度、中国語の授業で数十文を話していればいい方ではないでしょうか。

中国語の発話数は母語である日本語に比べ圧倒的に少ないのです。

だから中国語文を組み立てるためのひな型ができない。

そして、ひな型がないのでスムーズに話せない、話さないのでひな型ができない、というループに多くの人がはいり込んでいるのです。

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(^。^)ちょっと、まって!中国語のひな型がないって言うけど、私たちは文法を勉強して構文というものを知っているじゃない。あれは役に立たないの?ひな型とはどこが違うの?

• 文法知識はファイリングされて終わり

私たちが勉強して得た文法知識は、一体どこで何をしているのでしょうか。

頭の内を覗いてみましょう。私たちが文法を学ぶ時、まずは「例文」が示されますね。

それから、その例文がどういう意味を表すのか、「概念やイメージ」が提供されます。

そして、どういう決まりで組み立てられているのかという「解説」が与えられます。

この3点セットは理解が済むと、ファイリングされ頭の中の本棚へと放り込まれます。

新しい文型や構文を学べば、そのたびに次々とファイリングされます。

しかし、思い出して下さい。オフィスや家庭でファイリングされる書類とはどういうものか。

そう、当面は使う予定のない、でもいつか見返すかもしれないから捨てられない書類ですよね。

学習で得た文法知識も頭の中の本棚で休眠状態にあります。

それは当面は使う予定がないと判断されたから。とりあえず取ってある資料に過ぎません。

残念ながらこれではいざという時には間に合いません。

ひな型とはイメージの集合体です。話すことを通じ、自分で作成したオリジナルの道具です。

言葉で記述された知識とは異なります。イメージでできているので、頭の中ですばやく処理をすることが可能です。

私たちが勉強して得た文法知識は中国語運用の決まりを日本語という言語で説明した情報です。俗に言う“左脳的”な情報の集まりです。

一方、自分の頭で作り上げたひな型は中国語運用の決まりをイメージで説明したもの。

“右脳的”な情報です。ご存知かもしれませんが、私たちの脳は言語による情報よりもイメージによる情報の方がずっと速く処理できるのです。

裏返せば、言語で保存された情報は検索や照合といった処理に時間がかかるということです。

だから、実際の会話では言語情報である文法知識は役に立たないのです。

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• 日本的学習スタイルは聴解力・読解力偏重

私は先ほどから話すことでひな型ができる、話さないからひな型ができないと言っていますよね。聴いたり読んだりするだけではだめなのでしょうか。

多読多聴の学習ならすごくやっているという人は少なくないと思います。でも、残念ながら聴いたり読んだりしているだけではひな型はできません。

どうしてか。

実は私たちの脳は分業制を敷いていて、聴いて(読んで)理解することと、話す(書く)ために文を組み立てることは別々の場所で行われています。

はい、これすごく大事なことなのでもう一回言いますね。

文を理解することと、文を組み立てることは別々の場所で行われています。

「理解」と「作文」を、それぞれ脳内の違う部署が担当しているのです。

いくら聴いたり読んだりしても、仕事をしているのは「理解」を担当する部署。

話すための「作文」を担当する部署はその間、ほとんど仕事をしていないわけですから、その能力が上がるはずがありません。

さて、ここでは取りあえず専門用語は避け、簡単に、脳の中で聴いたり読んだりした言葉を理解する場所を「聴読解領域」、話したり書いたりするために文を組み立てる場所を「発話領域」と呼ばせていただきます。

私たちがこれまでの勉強でやってきたのはほとんどがこの聴読解領域を使うもの、つまり、聴いたり読んだりした文を理解するという訓練です。

あなたはどんな勉強をしてきましたか?具体的に思い出してみてください。

中国語教室に通っているなら、まず、
1.テキストの本文が吹き込まれたCDを聴く。
2.新出単語の意味をチェックする。
3.生徒が一文ずつ音読しては日本語に訳す。
4.みんなで声をそろえて音読する。
5.構文や慣用句の使い方を教わる。
6.章末の問題を解く。

こんな感じでしょうか。あとは、
7.単語や文を聴き取って書いて、
8.日文中訳もやるかもしれませんね。

家でやるのは、
9.CDをひたすら聴く。
10.音読。
11.単語を覚える。
12.中検やTECCの問題集を解く。

会話スクールで
13.ディスカッションやロールプレイングの会話練習をやっている
という人もいますね。

どうですか?

1.CDを聴く,2.単語の意味チェック,3.和訳,7.聴き書き,9.CDを聴く,は聴解・読解力の訓練ですね。

4,10の音読は発音や声調の練習にはなりますが、発話のキモである自力で文を組み立てる訓練としては弱いですね。

5構文・慣用句,6.章末問題,12.問題集,は主に文法知識をつけるための勉強です。文法知識は聴解・読解の助けとなります。

ただし、もし即座に文を組み立てなさいという問題をやれば発話の訓練にもなります。

11の単語を覚えることは当然単語力アップにつながります。ちなみに単語も脳内の別の場所で処理されます。

8の日文中訳は一見、発話領域の刺激によさそうですが、大きな問題があります。

これは実は翻訳力をつける訓練です。

翻訳力(通訳力)とは単に外国語を話すのとは異なる能力です。

実際の会話では最初にいちいち日本語を考えてそれを訳したりはしません。そんなことをしていたら時間がかかってしまい会話になりません。

これは話者と通訳の一人二役をやるようなもの。

そもそも通訳というのはプロでもかなりの集中力が必要な作業。素人なら短時間でもへとへとです。

自分の言葉をいちいち通訳しながら話すなんて非効率の極みです。

私は日文中訳練習は簡単な会話さえろくにできない人がやるべき勉強法ではないと考えます。

まずはダイレクトに中国語で考えられるようになることを目指すべきです。

13のディスカッションや会話練習は発話領域、聴読解領域両方を使います。 これは話す訓練になりますね。

しかし、いかんせんグループレッスンの場合は生徒一人当たりが話せる時間は1レッスンせいぜい10分程度。週に1,2度通う程度なら、残念ながら十分とは言えません。

じゃあ、プライベートレッスンにするか、もっと回数を増やしましょう!とはいかないのが大人の事情ってやつです。

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どうですか、発話領域を使っているかもしれない学習は少ないでしょ。日本的学習スタイルの元では私たちの勉強時間の多くが聴読解領域を使う学習に費やされています。

もちろん、話すためには少なくともそのフレーズを聴いて理解できなければいけないので、聴解力の訓練は必要です。でも、この比率の高さは適切とは言えません。

限られた勉強時間を、聴読解領域を刺激することばかりに使っていては、残念ながら一生かかっても話せるようにはなりません。

今一度思い出して下さい。

あなたは何のために中国語を勉強しようと思ったのですか?

話すためではないですか?

話すためという目的があるなら話すための学習をすべきです。

あなたがいつまでたっても話せない理由は記憶力が悪いからでも、度胸がないからでも、センスがないからでもありません。

一生懸命している勉強が本来の目的からずれているのです。脳内の聴読解領域を使う勉強ばかりして、発話領域を働かせる訓練をほとんどやっていないからです。そのために、発話領域に中国語文組み立て用のひな型が育たないのです。

だから話せない。

まずはこれを認識しましょう。

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