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中国語リスニング力UPのコツ

目次

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リスニングの悲劇

中国へ行って、中国語で言いたいことはなんとか言ったけれども、 返ってきたネイティブの返事がまるで呪文にしか聞こえなかったという経験はないでしょうか。

「请你再说一遍」「请你说慢一点儿」というセリフをなんとかしぼり出せたとして、それでもさっぱり解らなかったら、お手上げです。笑ってごまかすしかありません。

私もかつて、中国語で質問しておきながら、相手の説明が全く聞き取れず、再び英語で説明しなおしてもらうという恥ずかしい思いをしたことがあります。

ネイティブと会話するためには、相手の話す中国語をある程度聴き取れるだけのリスニング力が必要です。

聴き取れなければ、会話はそこで終わってしまいます。

とにかく聴き取りの具体的なコツを知りたいという切実な思いを持っている人も多いでしょう。

しかし、まずは、あわてずリスニング力がどんな要素から出来ているのかを理解しましょう。

次に、どの要素が自分に足りないのかを見極めます。

あとは、その要素を補うための学習をすればいいだけです。

この「リスニング力UPのコツ」では中国語のリスニング能力を細かく理解したうえで、各能力をUPさせる学習法を一つ一つみていきます。

中国語リスニング力を分解しよう~知識編~

一口に「リスニングが苦手」と言っても、その原因は人それぞれでしょう。何ができないから分からないのか、それが明確にできれば、自分に合った対策がたてられるというものです。

そもそも、中国語のリスニングに必要な要素とはなんでしょう。

まずは大雑把に二つに分けるべきだと思います。一つは知識に属するもの。もう一つは能力に属するもの。

知識要素はさらに三つに分けられます。

まずは話のテーマとなっていることについてどれだけ情報を持っているかということ。

話題についての常識と言ってもいいでしょう、これが全くなければ聴き取りはかなり困難になります。

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母語である日本語で考えてもらえば分かると思います。

例えば、あなたが中年男性なら、若い女性がファッションの話をしているのがすべて聴き取れるでしょうか。

もし女子高生なら、ビルの建築現場で話されてる内容がすべて聴き取れるでしょうか。

恐らく正しく聴き取れないでしょう。

それはその分野や業界の知識を持ち合わせていないためです。

ネイティブだからすべて聴き取れるとは限りません。

もし、病院での中国語リスニングに困りたくないなら、ふつう受付ではどんなことを聞かれるのか、支払方法は一般的にどんな選択肢があるのか、薬はどうやって受け取るものなのか、などなど、中国の病院のシステムを事前に調べておくべきでしょう。

あらかじめ知っていれば、言われたことを容易に聴き取ることができます。

話のテーマとなっていることについて予備知識があれば、多少知らない単語があったとしても、多少聴きもらした音があったとしても、想像で埋めることができるからです。

まずは、1.その話題についての予備知識を持っていること。

次に、2.その状況における言い回し、よく使う中国語のフレーズ、決まり文句などの知識が必要です。

空港や駅でのアナウンスは典型的な例でしょう。

アナウンスの言い回しはほとんど決まっているので、それを知っていれば、目的地や便名、時間といった肝心な情報を落ち着いてもらさず聴くことができます。

あるいは、宴席が多いビジネスマンであれば、「为某某先生的健康而干杯!」などのさまざまな宴会用フレーズを知っていれば、いちいち「今、何て言ったの?」とばかりに通訳さんの顔を見なくてもいいので、テンポよく歓談ができますよね。

そして、もちろん3.その話題に関係する単語は必須です。

例えば、料理の作り方の話を聞いているのに、それぞれの材料や調味料を中国語で何と言うのか知らなければ全体として聴き取れるはずがありません。

ほうれん草は“菠菜”、にんにくは“大蒜”、唐辛子は“辣椒”、 塩は“”、炒めるは“”。

これらの単語を知らなければ青菜の炒めものの作り方も分かりません。

三国志ゆかりの地を回るツアーに参加して、ガイドさんの話を聞きたいなら、諸葛孔明は中国では“诸葛亮”と呼ばれるのだと知っておくべきです。

特に固有名詞は置き換えがきかないので知らないとやっかいです。

リスニングに必要な要素、それは、自分にとって必要な分野の「予備知識」と「よく使うフレーズ」と「単語」の三つの知識です。

分野は当然個々人で違います。中国語を学ぶ目的がそれぞれ違うからです。

自分が必要とする分野を見極め、あくまでその分野の「予備知識」と「よく使うフレーズ」と「単語」を集中的に勉強します。

これがリスニング力を効率よくUPさせるコツです。

上記は知識に属する要素です。次に能力に属する要素で何が必要か考えましょう。

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中国語リスニング力を分解しよう~能力編~

いくら中国語の単語や言い回しを知っていて、予備知識があったとしても、聞いた中国語の音を正しく聞き分けられなければ始まりません。

まずは、4.相手が発した音声を聴き取る力が必要です。

中国語の音節は400以上あります。クラッときそうな数字です。

日本語に比べるとずいぶん多いですが、所詮は21個の声母(子音)と37の韻母(母音)の組み合わせです。

基本的には声母と韻母それぞれの音が分かっていればいいはずです。むやみに恐れる必要はありません。

これらすべての音節を聴き分けるためには、まず自分自身がすべての音節を正しく言い分けるということが必要です。

紛らわしい音は一生懸命聴いても、最初はなかなか聴き分けられません。

しかし、たとえ聴き分けられなくても、言い分ける努力を放棄してはいけません。

なぜか。言い分けた自分の声を聴き比べることで音色の違いが出るポイントに気付き、聴き分ける手掛かりが得られるからです。

声調もそう。4つの声調を言い分けてこそ聴き分けられるようになるというものです。

まずは自分ができるだけ正確に発音する。これが音を聴き分ける力の基礎となります。

自分自身が正確に発音できていれば、少なくとも、きれいにゆっくり発音された音は聴き取れるようになるはずです。(※発音を身につける方法については『中国語発音のコツ』を参照してください)

ゆっくり話してくれたらなんとか分かるんだけど、早口だとついていけなくて…という人向きの訓練法があります。

比較的ハイスピードで吹きこんであるテキストの音声をシャドウイングすることです。

シャドウイングは通訳養成学校で行われてきた訓練法で、お手本を聴きながら影のように発音するというもの。

スピードはお手本のペースにあわせなければいけません。

もし、聴き取れない音声があれば、同じように発音するのは不可能なので「言えなかったところ」=「耳or舌がスピードについていけなかったところ」というのが明確になります。

自分の声を録音して、言えなかったところを同じスピードで言えるまで練習することで、耳が速さに慣れます。結果的に早口も聴き取れるようになります。



さて、中国語の音声を正確に聴き取っても、それがどんな意味の単語なのか瞬時に思い当たらなければ役に立たちません。

なにしろ話し言葉は刹那的に過ぎていくものです。

ゆっくり考えているひまはありません。

知っていたけどすぐに思いつかなかったぁではだめです。

つまり、次に必要な要素は、5.聴き取った中国語音声からすぐに単語を導き出す能力です。

聞いても中国語の単語がすぐに思い浮かばない人は聴き取った音から単語を瞬時に導き出す訓練をします。

具体的な方法はこうです。

単語だけを連続して録音してあるCDなどを用意して、途中止めずにひたすら漢字で書き取りをします。

限られた時間内で書き取る訓練をするのです。

一瞬「なんだっけ?」と手が止まっても音声を止めてはいけません。

自分にゆっくりと考える時間を与えないのがポイントです。

現実のリスニングでもひとつの単語に悩んでいるひまはありません。

相手はあなたが思い出すのを待ってはくれないのだから。

知っている単語は確実に一瞬で音から意味を引き出せるように繰り返し訓練します。

CDは一度勉強したことのあるテキストのもの、或いはカテゴリー分けされて録音されているものがよいでしょう。

あまりにランダムに単語が録音されているだけのものだと、同音異義語などの判断ができないためです。

また書き取るための最低限の時間は必要なので、立て続けに単語が録音されているものではなく、比較的ゆっくり読み上げられているものがよいでしょう。

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さて、音を聞いて単語がすぐに思い浮かんだとしても、それが並んで文章になったらどんな意味かわからなかったでは話になりません。

とすると、さらに必要な要素として、6.文の意味が即座に理解できる能力が挙げられます。

文字として書いてある文章だったらわかるんだけど、聞いただけだとこんがらがって来て…という人は文法的解析に無駄に時間がかかっているということです。

リスニングとは刹那的に過ぎていく言葉の意味を取る作業です。

読解の時のように前を見て後ろを見て、また前に戻って、日本語に訳してから理解しようとしていたのでは間に合わないし、そもそも覚えていられないはずです。

頭から順番に意味を取っていかなければ聴きながら理解することは不可能です。

日本語に訳す癖はやめましょう。

中国語を中国語のまま文頭から順に理解する癖をつけましょう。

どうしても日本語にしないとピンとこないという人は、文を文頭から細かく切りながら訳す(理解する)訓練をするといいでしょう。

文法書に書いてある文法は一旦忘れて、単語の意味をシンプルに取っていきます。

こうすることで中国語的発想を脳が受け入れられるようになります。
例えば、

据说少吃米饭比少吃肉更容易减肥。

という文があったとしたなら、

据说/少吃米饭/比/少吃肉/更容易/减肥。

(誰かが)言うところでは/ご飯を少なく食べる(ことは)/比べて/肉を少なく食べる(ことに)/さらに簡単に/脂肪を減らす

という具合に区切りながら、先頭から順番に、戻ることなく、意味を取ります。ぎこちない感じがするかもしれないが、そんなことは気にしません。

「ご飯を控えたほうが肉を控えるよりダイエットになるらしい」という文のメッセージが最終的に自分の中でイメージできればいいわけです。

このように常に文頭から意味を取る訓練をすると、文の理解のスピードが格段に上がります。

コツは日本語らしい訳文にこだわらないことです。

あえて片言の日本語で理解しましょう。


まとめ

リスニングに必要な要素は何か、それをどう獲得するか、まとめます。

  1. その話題についての予備知識
  2. その状況における中国語の言い回し、よく使う中国語のフレーズ、決まり文句など
  3. その話題に関係する中国語単語
  4. 相手が発した音声を正しく聴き取る能力
  5. 聴き取った音声からすぐに単語を導き出す能力
  6. 文の意味を文頭からすぐに理解できる能力

1、2、3、は知識なので自分の必要な分野を見定めたらひたすら勉強します。

日本人は割と“勉強”は得意なのであまり問題はないはずです。

ただしあれもこれもと欲張らないのがコツです。

一つの分野を集中して勉強した方がいいです。

あまり範囲を広げてしまうと、覚える量の多さにやる気がうせてしまうからです。

4、5、6は能力なので勉強ではなく訓練が必要です。

どれもリスニングには必須の能力です。

中国語の音声を正しく聴き取るためには、まず、自分が正しく発音すること

ハイスピードの会話文をシャドウイングして速さに慣れること

聴き取った音声からすぐに単語を導き出せるようになるには、限られた時間内で単語の書き取りをすること

文の意味を素早く理解するには文頭から細かく区切りながら意味を取ること

以上の訓練が有効です。

「訓練」とは「教えて、継続的に練習させ、体得させること」ですが、中国語習得のトレーニングに教官が付いてくれる恵まれた人はそうそういません。

上記トレーニングは退屈な作業も多く、一人で続けるのはたいへんです。

しかし、何事も一朝一夕には効果は得られません。

継続は力なり。リスニング力がUPして生の中国語が聴き取れた!!というご褒美を思い浮かべて頑張りたいものです。

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